異能生存体とは?装甲騎兵ボトムズのネタ
ロボットアニメの中には様々な能力を持つパイロットが存在します。
ガンダムにおけるニュータイプを単に発した能力者のパイロット達は、操るロボットの高い性能と同じく、自らの能力も駆使して巨大な敵と戦っていきます。
しかし、ロボットアニメの聡明期である80年代から90年代において、早々からパワーインフレを引き起こし「二度とこんな設定を作るな」と偉い人から怒られた最強の能力者が存在します。
それが我らが装甲騎兵ボトムズに登場する主人公、キリコキュービー。
またの名を「異能生存体」
その能力は他のパイロット達と比較するレベルではありません。
いうなれば、ロボットアニメの主人公なのに
ロボットに乗る必要が一切ない。
ロボットアニメ界だけでなく、アニメ界最強ランキングですら度々キャラクター単騎で戦いに参加してくる強さです。
つまり異能生存体はロボットとかもはや関係ない能力なんです。
そんな伝説の能力者「異能生存体」とは一体なんなのか?
今回はボトムズの設定において世界を激震させたこの能力について考えていこうかなと思います。
異能生存体とは何か?
異能生存体とは装甲騎兵ボトムズにおいて、キリコキュービーがあまりにピンチになるのに偶然助かりまくる事から、のちに「これ設定にしちゃえばいいじゃん」というノリで作られた能力でした。
その能力とは「何がなんでも死なない」というもの
前回のボトムズ関連動画でも散々言ってきましたが、この能力は決して戦闘に強いだとか、無敵になるとか、不死の体をもっているとか、そんな類のものでありません。
いうなれば
「どのような状況であろうとも、何をされようとも死なない生命体」
それが異能生存体です。
異能生存体は250億分の1と言われる確率で生まれる異常なほどの生存能力を持つ個体を示す言葉です。
生存能力とは、いかなる状況においても死なない、ただそれだけを示す言葉。
では、生存能力とは何かといえば、いかなり危機的状況からも脱することができる能力
高い生命力により、傷はあっという間に完治するのはあたりまえ、高度な戦闘技術を持ち、圧倒的な幸運に恵まれ、なおかつ異常ともいえる状況変化を周囲にもたらします。
これを聞いてすでにおわかりでしょう。
そう、これらを備えているキャラクターというのは、実はたくさんいます。
例えば先週大けがをしていたのに、翌週には突然ケガがなおっている奴。
例えば敵に銃撃をうけまくるのに、一発もあたらないやつ。
例えば死んだと思ったら、なんかあの世から復活してアニメに戻ってくる奴
などなど、こうした現象を生む主人公というのはアニメにはたくさんでてきます。
しかし、あまりに主人公がアニメの中で生き残れるように展開が物理法則すらねじまげられてしまう。こっちが見ていて引くほどに。ストーリーが進む上で必要不可欠なキャラクターゆえに、絶対に死なせられない。しかし、ピンチにおいやらなければ、もしくは死んだことにしなければ展開が盛り上がらないがゆえに作られた数々の現象を、我々はいつしか「主人公補正」と呼ぶようになりました。
いまやこの言葉は完全なネタとなり、アニメの作中でもイジられ、主人公補正をあつかった漫画や小説なども結構見られるようになりましたね。
ところが、主人公補正という言葉が生まれるはるか昔。
主人公たちが今よりもド派手に補正をかけまくりすぎて、もはや敵に撃たれてケガをするどころか、カスリもしない強烈な補正が当たり前だった80年代。
この時に、いちはやくこれらの現象を「一種の能力ということにしよう」として、テレビアニメ本編が終わったと、急遽主人公に付与したやつらがいます。
それが装甲騎兵ボトムズと、それを作り上げたすったふたちです。
装甲騎兵ボトムズは当時では類をみない「リアリティ」を意識したロボットアニメであり、当時流行していたベトナム戦争映画の影響も受けていました。
それゆえに、第一話から主人公は拷問を受けて一度心肺停止になり、そこから蘇生して軍を脱走するところからスタートするという異例の作品が作られます。
そこからもリアリティを意識して作られた世界では、主人公は銃で撃たれるのは当たり前、敵につかまって拷問をうけたり、地獄のような戦場でなんども命を落としそうになります。
それでも生き残り、異能者という古代の高度な環境適応能力を持つ生命体であるということがわかり、その銀河を支配する神すらも殺した主人公キリコ。
そうしてテレビアニメが終わったのですが、リアリティを意識した地獄の黙示録ばりのロボットアニメを作ったスタッフは、自分達が作り上げたあまりに過酷なストーリーの中を、キリコに強烈な主人公補正が効いてしまったことでリアリティを失いかけていると恐れ。
「そうだ、これを能力にしよう」
と、ボトムズをヒットを受けて作られた初のOVA作品「レッドショルダードキュメント 野望のルーツ」において。突如として異能生存体だから生き残ったという、恐るべき告白をしはじめたのです。
つまり、異能生存体とは、主人公補正そのものであり、その補正が効きすぎる状況をなんとか整合性を取るために作られた、狂気の発明。
さらに恐ろしいのは、キリコが異能生存体であることが明らかになって以降、もはや主人公補正によりストーリーが破綻することを恐れなくなったスタッフは、もはやギャクを通り越し恐怖すら覚えるような異能生存体の能力をいかんなく発揮させてしまいます。
異能生存体の能力は「絶対に死なない」こと
異能生存体=主人公補正とはいいましたが
基本的には「生存」にかかわる、主人公補正の中でも最も強力な部分のみにスポットをあてられた能力者です。
具体的には
・ピンチになると必ず何か助けてくれる
・そもそも敵にあわない
・高い回復力をもっていて翌日には回復している
・子供のころに全身焼けどしても生きてる
・拷問で心臓停止しても復活する(なんども)
・−200℃の寒波(ダウンバースト)が起きても生きてる
・頭に向かって至近距離から銃を発射
・心臓に向かって銃弾を叩き込まれる
・手りゅう弾をもって自爆を試みるも生きている
・自分がいるステーションが爆発
・自分がいる星が爆発
・神が殺そうとするなら神をも殺せる
しかも恐ろしいことに、生き残るためには敵味方をとわず、あらゆる人間すらも犠牲する能力。
異能生存体であるキリコ一人が生き残るために、1億2000万以上もの人間が犠牲になった作戦もありました。
キリコを殺そうと試みても、絶対に生き残る。いかなる犠牲を払おうとも、キリコだけが生き残ってしまう。
これゆえに、異能生存体は自らが生き残るためならば、周囲の環境すらも変えてしまいます。
いわば、従来の主人公補正をより過激にしたものですね。
その本質は「因果律を操る」ものであり、自分の生存に都合がいいように世界すらも変えていきます。
フィクションの世界において最も恐ろしい能力は「因果律を操る」ものだと言われています。
この能力に唯一近いと考えられる有名なキャラクターは、アニメ「とっても!ラッキーマン」の主人公、ラッキーマンこと追手内洋一ですね。
なぜなら、因果律を操るキャラクターは、何が起ころうとも絶対に死なないから。とくに戦闘もの作品では、これだけはやってはいけない設定とも言われてます。バタフライエフェクトと呼ばれるような因果律を操作する能力は、それを出すだけで作品のパワーインフレをいとも簡単に崩壊させるだけでなく、ただのギャグともいえる圧倒的な力を手に入れてしまうからです。
また有名な最強キャラ議論スレでも、こと運に関する要素は「考察しずらいのでなるべく除外する」とされており、
アニメ最強ランキングでは常に上位に入り、1位に入ることが当たり前のラッキーマンですが、どんな状況でもラッキーで勝ってしまうという運を操れる、つまり因果律をコントロールできてしまう能力は、やはりチート中のチートキャラといえます。
にもかかわらず、それをやってしまったボトムズでは、もはや異能生存体であるキリコは作中で絶対死なないことが明らかとなるという、とてつもないシュールな存在になりました。
とくに赫奕たる異端では、敵が撃った銃弾が全然あたらなくて相手が滅茶苦茶驚くシーンが出てくるのですが、もうギャグ以外の何物でもありません。
おまけにギャグだけでなく、仲間も敵も大量に殺してしまうのですから、闇のラッキーマンともいえるキャラクターです。
しかし、ギャグアニメではないがゆえに、異能生存体はとても悲しい存在でもあります。
まずキリコは自らの生存のために犠牲にするものを選べません。
星一つは当たり前のように破壊し、神すらも殺せますが、その引き換えとして自分の大切な人間も次々と死んでしまいます。
また、精神的なダメージは一切回避できないため、キリコは生き残るたびに精神をすり減らすはめになります。
おまけにキリコは自殺もできません。異能生存体というのは自らの意思に関係なく生き残るからです。
それゆえに「触れ得ざるもの」という名前を与えられ、神と同等、もしくはそれ以上の存在としてアニメ後半では描かれていきます。
異能生存体とPS
異能生存体は250億分の1の確立で発生すると言われていますが、そのために他にも異能生存体が存在すると当初は考えられていました。
しかし、いずれもただの近似値であり、現在でも異能生存体はキリコただ一人。
けれど、本物の異能生存体はみつからなくとも、それに似た人間は作れるのではないか?
その発想から異能生存体研究の第一人者であるペールゼンが考えついたのがパーフェクトソルジャー、略してPSと呼ばれる人造人間を作り上げることでした。
これは異能生存体のような特異な存在というよりも、ロボット(AT)のパイロットに特化した強化人間です。
高度な機械への対応力と反応力、さらに筋肉までも強化されています。
ガンダムにおける強化人間のようなニュータイプの劣化版みたいな扱いですが、強化人間とは違って最初から作り出された人造人間であることが大きな違いです。
ボトムズ本編ではヒロインであるフィアナが「プロトワン」と呼ばれるPSであり、ライバルとなったイプシロンがプロト・ツーと呼ばれる強化人間でした。
とくにイプシロンは恐るべきPSであり、キリコでも歯が立たないほどの高い戦闘能力をもっていましたが、最終的に強化された戦闘用ミッションディスクの力とフィアナの介入もあってイプシロンに勝利しました。
・ネクスタント
また、ボトムズには異能生存体であるキリコをベースに考えられたネクスタントとよばれるサイボーグも登場します。
PSとは違い全身を機械化されており、より安定性が高く、生身ですらPSをしのぐ高い戦闘能力をもっています。
それゆえにキリコは戦闘にあわや敗北という所まで追い込まれますが、偶然撃った銃弾が運よく相手の急所を打ち抜くという異能生存体バリバリの勝ち方で勝利をおさめます。
異能生存体はどこまで強いのか?
異能生存体とう能力は常に議論が絶えない能力です。
なぜなら、作品が進むにつれて次第に設定が明らかになっているものの、その全容がいまだ掴めないのが原因です。
そもそも最初は異能者という高い生命力と高度な機械への適応能力を持つ超人類、すなわちニュータイプレベルの存在であったはずのキリコ。
それが宇宙の神であるワイズマンを倒してしまったことにより、突然異能生存体というスーパーサイヤ人越えのやばすぎる人間に代わってしまったからです。
現在のボトムズシリーズでわかっているキリコの能力は
・以上に高い機械への適応能力
・重症も数日で完治する生命力
・いかなる戦場でもポエムを読める芸術性
・そして、いかなる状況になろうとも、あらゆる事象をコントロールして命だけは助かる最強の悪運
というものです。
異能生存体について語るうえで、もはや前者の能力というのはほぼ関係ありません
この「悪運」、つまり生命にかかわるレベルに到達しないように因果律をコントロールする能力がすさまじく厄介なうえ、異能生存体がどこまで強いのかを判断しずらくしています。
そもそも悪運というのは、最悪な状況であろうとも間一髪助かる運を指す言葉です。
まさしくキリコはこの悪運の高さが突出しており、あらゆる過酷な状況からも助かってみせています。
しかし、それがどのような理屈で動いているのか?
さらに、キリコの異能生存体の能力はどこまで通用するのか?
といったものがない、いわば弱点となるものがまったくわからない能力なんです。
異能生存体の持つ因果律の操作にかんする議論では、「キリコの命が助かるためにはあらゆるものが犠牲になる」
とも言われていますが、作中では一緒に行動していたゴトー達はいまだに生き残っているため、なぜゴトー達が死なないのかもわかっていません。もしかした彼らも異能生存体の可能性はありますが。
また、キリコは宇宙の神であるワイズマンを倒しましたが、だからといって神のコントロール下を離れたとも言い難く、何らかの意思にもとづき行動させられているともいわれています。
しかし、もっとも考察が難しい原因は、やはり「因果律を操る」という運の要素がすべての能力者だからです。
最強キャラ議論の2ちゃんスレでは、今まで幾度もキリコが登場していますが、そのたびに考察がストップします。
なぜなら、キリコは自ら狙った相手を確実に倒すような能力者ではなく、生き残ることができる最強の悪運をもっているからであり、戦闘の結果、相手を確実に倒すことはできないからです。
ただ、逆にキリコが確実に負けるという要素も想定しずらいのが、悪運により「絶対に生き残ってしまう」という最強の防御力を持っているからです。
相手は確実に倒せないが、絶対にこっちが死ぬこともない、ゆえに戦闘趣味レーションがなりたたず「ほぼドロー」で決着がつくという、ノーゲーム野郎になってしまうのです。
ゆえにルールが存在するバトル考察では、キリコはだいたい負けます。
また、異能生存体の持つ最強の悪運は、どの状況でも確実に働くのかも定かではありません。
ボトムズの世界における宇宙空間ではたしかにキリコは異能生存体として確実に機能していますが、別の作品のような多元宇宙がある状況ではどうなるのか想定がしにくいからです。
それゆえに、キリコはここまでのチート能力を持ちながらも、最強議論ではそこまで上位に食い込むことはありません。そもそも「運」を操る能力者は、議論ができるようなわかりやすい力ではない。つまり、われわれの理論ではいまだ説明すらできない能力ではないのです。
そして、キリコはただ因果律を操っているわけではありません。
例えば、相手の銃弾が一発も自分にあたらず、至近距離では弾丸そのものが曲がる、もしくは不発に終わるという現象。
これは因果律をコントロールするだけでは不可能。単純に弾丸の方向を曲げたり、相手の銃口を自分に向けないようにコントロールする、いわば「超能力」が存在します。
つまり生存のためであれば、因果律をコントロールするだけでなく、物理法則を超越し、相手の肉体を意のままにコントロールし、銃弾を不発に追い込む超常現象を発生させることができます。
つまり因果律コントロール+超常現象というヤバすぎる能力であり、キリコを殺すことはほぼ不可能と言って良いでしょう。
誰が異能生存体をやれるのか?
ロボットアニメのパイロットにして、主人公補正、すなわち「運」を操るという超パワーインフレ能力を与えられた異能生存体、キリコ。
このキリコを語るうえで必ずつきまとうのが、「本当に異能生存体は殺せないのか?」という議論です。
というわけで今回は、誰がキリコを殺せるのかシュミレーションしてみました
対決:ニューガンダム+アムロとの闘い
ロボットアニメ界最強のパイロットといえばアムロ。
とくにニューガンダムに乗っていた時は富野監督も「過去最強」とすら言わしめたベストコンディションです。
この状態のアムロはリアル系ロボットの中でも最強のチート能力者
これならキリコも死ぬかもしれないと考えてみました。
まずキリコの攻撃は、アムロが乗るニュータイプには殆ど効かないでしょう
ATはわずか4メートル代で、相手は23mのガンダリウム合金製ですからね、ATの武装じゃまず歯が立ちません。
それどころか、搭乗するアムロの技量がけたはずれなので、宇宙空間では一発も当たらない可能性もあります。
さらにニューガンダムはフィン・ファンネルというクソ強い武器をもってますね。
距離があろうがなかろうが、とりあえずファンネルぶっぱなして回避鼓動してれば普通は楽勝で勝てます。
しかし異能生存体が相手の場合、1番ありえるのは
1ファンネルが作動しない
という可能性です。
サイコフレームの誤作動、もしくはアムロの精神状態に異常などがおきてファンネルが上手く作動しなくなることが予想されます。
おなじくビームサーベルやニュー・ハイパー・バズーカなども使用で不具合が起きる可能性があります。
こういったAT瞬殺系の武器で、しかもアムロが使うとなると外すほうが難しいので、異能生存体相手に使うと不発の可能性が高いですね。
ほかにも考えましたが、やはり動作不良がおきてしまい、最後はニューガンダムごと動けなくなる可能性があります。
アムロ単体ならキリコを殺すのはまず不可能なので、結果として「動作不良」でキリコを殺せないでしょう。残念。
最強ロボット・イデオン戦
パイロット最強がアムロなら、ロボット最強はイデオン
全高105m、重量5,650tという巨大なロボットながら格闘戦をこなし、物語中盤ではブラックホールを攻撃に用いるなど、異星人が残した技術の凄さが伺えるロボットです。
最終的には全宇宙の知的生命体が消滅するという救いようがない最後を迎えた本作、ロボットとしてはこの上ない強さを発揮していたかと思います
とにかく強いのが、ストーリーを無理やり打ち切りにすべく作られた「イデの暴走」とう恐るべき技。
もはや技と呼んでいいのかわかりませんが、とにかく宇宙中の知的生命体をすべて因果地平に吹き飛ばしたとされています。
この因果地平とは、宇宙の果て、因果律が及ばない世界といなっています。
因果律を操るキリコにとって、もし因果律の彼方に飛ばされたら、それはもう確実に死んだも同然。というか死んでます。
しかし異能生存体の場合は、やっぱり機械の誤作動が起きる可能性が格段に高いため。
・イデが発動しない
・イデ発動前にイデオンが破壊する
・イデが発動してもキリコだけ生き残る
という可能性が最も高いですね。
イデはいったん発動したらキリコとてひとたまりもない
とはいいきれないのが、因果律の地平に飛ばされる以前に、最初から因果律をコントロールしている異能生存体であり、イデの発動そのものを止められる可能性があります。
イデは巨大な力をもっていますが、作中では戦争を止められずにイデを発動させています。つまり、自ら因果律をコントロールすることに失敗しているため、その時点で異能生存体であるキリコを殺せるとは考えにくいです。
また、イデの発動そのものを止めたとしても、イデが居る限りキリコの命が危険にさらされるのであれば、最終敵にはイデごと消滅する。
もしくは、イデが発動してもキリコだけ因果律の地平に飛ばされないという可能性があります。
惑星の爆発から生き残るキリコですから、因果律の地平に飛ばすイデの発動も回避できる方法があるかもしれません。
運系最強キャラ・ラッキーマン戦
イデですらキリコを殺すことができないのは、因果律をコントロールできないから。
キリコに勝つには因果律をコントロールするしかない
となれば
やはりラッキーマンなら殺せるのではと考えてしまいます。
ラッキーマンは運をコントロールして相手にかつギャグ漫画のヒーロー
ギャグ漫画というのは強烈な主人公補正が効いているキャラがいますが、なかでも運を操れるというラッキーマンは多作のキャラ同士の戦いでも超強いキャラです。
運により最強のキャラクターと言われていたラッキーマンですが、彼の場合は「自分が幸運である」という方向に常に進むことができる能力であり、もしかれが「死んだほうが幸運」だと思ったら、文字通り死ぬわけです。戦闘では難しいものの、彼の愛する人間が死んでしまったり、壊滅的な精神ダメージを負ってしまった場合には、やはり死ぬこともわずかながら可能性として残されています。
また、幸運星から幸運を授かっているラッキーマンは、幸運の星からの影響を受けることができなければその力を発揮できません。
また、ラッキーマンは生身の状態であれば逆に不運なキャラクターとなるため、ダメージを与えるのはもちろん、おそらく殺すことも可能です。
それでもラッキーマンが作中で生身の状態で不意打ちを食らったり、精神的に削りまくって自死を選ぶことがないのは、主人公だから。
つまり彼も主人公補正があるからこそのラッキーマン。それが無い無差別キャラクターバトルとなると、やはりスキが多くあります。
ところが、主人公補正そのものが能力となった異能生存体であるキリコは、無差別キャラバトルであろうとも主人公補正が適応されるという恐るべき自体になります。
不意打ちを食らわない、それどころか強敵であれば遭遇すらせず、殺そうと思ったキャラクターは圧倒的な別の力によって殺されてしまう。
ゆえに、ラッキーマンがキリコを殺そうと思っても、逆にキリコによって追い詰められ殺される可能性が高いのです。
このほか、因果律などを操るキャラクターは存在しますが、彼らと戦う時にまっさきに怒るのが
・両者が永遠に出会わない
という現象でしょう。
因果律を意のままに操るようなタイプは逆にキリコによって殺される可能性(意思による操作はスキが多い)のですが、異能生存体のように常時フルオートで生命の危機を守るようなタイプは、隙が生じないがゆえに、たがいに出会わないよう因果律がコントロールされ続ける可能性があります。
この現象があるがゆえに、異能生存体同士がである確率も低く、仮に共に行動しあった場合、互いに生存率を高めあうか、もしくは能力が低い方が犠牲になるという悲しい結末を迎えるでしょう。
その点、常時生命危機に関してフルオートモードで能力が発動している異能生存体を殺せるほどの因果律をコントロールできる能力者は存在せず、おそらく出会わないという流れになる確率が高いです。
先ほど紹介した・SCP-503もキリコとほぼ同じ能力をもっていますが、彼がキリコと出会うことはまずないでしょう。出会うような状況であっても、互いに生存率を高めあうしかなく、キリコを殺すという選択肢が出ようが、それは互いの生存を上げるための因果律のコントロールにすぎないです。
殺せるのは上位次元のキャラのみになる
因果律を支配するキリコをもし殺せるとしたら、それはこの世の法則を完全に無視し、世界の影響を一切受けないようなキャラクターでしょう。
例えばドラゴンボールの全王様は、キレると全宇宙を破壊できるという設定です。
つまり複数の宇宙があるという考えのもと、キリコがいる宇宙空間ごと破壊できるわけで、イデでは殺しきれないキリコを宇宙ごと抹殺できるわけです。
しかし問題となるのが、キリコの能力が本当にその宇宙空間のみで有効なのかという話です。
設定がいまだ明らかになっていない異能生存体は、その宇宙でのみ有効なのか、はたまた別の宇宙でも可能なのか、3次元だけか?4次元もいけるのか?まったく明らかではありません。
ただ明らかなのは、異能生存体よりも高位の存在であるならば、キリコを殺せる可能性が高いということ。
単純にいえば、キリコのいる世界が3次元だとしあら、4次元まで把握し完璧に操作できる相手であり、キリコの存在。つまり、キリコのいる次元ごと消せるようなキャラクターなら可能。もう殺すというよりも存在と世界ごと消してしまうって感じです。
そんな相手いるのか?という問題よりも、そもそも高次元の存在の強さというのをハッキリと理解できない上、キリコの能力がどこまで通用するか明らかではありません。一応最強スレではキリコの能力は「宇宙一個分」となっていますが。
この「高次元から下次元を完璧にコントロールできるキャラクター」は神レベルの存在。
これをわかりやすくいえば、キリコを2次元の存在だと見た時に、3次元の存在で、キリコのいるボトムズの世界を好きにできる人物。つまり、監督やスタッフ、バンダイなどがそれに当たると考えてもらっていいです。
つまり、作者という神が殺す以外、キリコは殺す方法がないんです。主人公補正=能力となった異能生存体クラスのキャラクターはこれくらいしないとヤれないって話です。
異能生存体は作者も殺せない説
ところが、ボトムの異能生存体の能力がどこまで通用するかわからないといいましたが、その理由はキリコを殺すことは、高次元の神である作者ですら不可能という説です。
キリコを殺すということは、キリコの存在ごと消すしかない。
つまり作中で異能生存体という設定を「無かったこと」にしてしまうか、強制的に寿命を迎えさせてしまったり、キリコよりも強い敵を出して最後殺してしまうなど、やりようはいくらでもあります。
ところが、キリコは作者ですら殺せないからこそ異能生存体であるという説があります。
キャラクターを好きできるのが作者の特権。皆殺しの富野のごとく、全キャラ殺してラストを迎えるなんてことも可能なんです。
しかし、ボトムズの高橋監督は果たしてキリコをやれるのか?誕生からすでに40年が経過。終わったと思ったら新シリーズのアニメが作られ、知らない間に小説版も続いているという異常な生存能力を誇るボトムズシリーズそのものが異能生存体であると言われてすらいます。
であれば、キリコはいつ死ぬのか?
はたして高橋監督はキリコを殺すことができるのか?まったくわかりません。
異能生存体を知るとボトムズはより面白くなる
異能生存体を知るとボトムズが面白くなると思っているのは僕だけでしょうか。
装甲騎兵ボトムズのテレビシリーズ版を異能生存体のキリコとしってみるのと、そうではない普通の人間として見るのとでは、面白さが大きく違います。
とくに違うのは「ご都合主義が神秘的になる」という現象ですね。
例えば序盤でキリコは採掘場で強制労働をさせられていますが、そこで運悪く殺されそうになります。
ここで偶然酸の雨がふりそそぎ、相手は雨を避けるためその場と立ち去ることで一命をとりとめます。
このように偶然助かるような演出がボトムズでは山ほど出てくるのですが、テレビアニメ放映時は異能生存体の設定はなく、ただのご都合主義的演出でした。
しかし、異能生存体であるとわかった状態でテレビアニメ版を見ると、退屈なはずのご都合主義が、すべて異能生存体が引き起こした神秘的な現象であるととらえることができるようになります。
さきほどの酸の雨も「異能生存体だから雨をふらすことができた」と解釈してみると、驚くほど神秘的な現象に見えるんですよ。
これがあるからこそ、異能生存体という設定は凄いんです。
通常、できるだけ自然に見せるべく削らなくてはならない荒唐無稽なご都合主義も、主人公が引き起こした能力であるとすることで、なんともシュールな場面に仕上げてしまうのです。
まぁこれをやりすぎてのちのOVA版では、誰でも笑うしかないシーンなどが登場してくるのですが、少なくともテレビアニメ版を現代の若者が見るとしたら、異能生存体について知って見たほうがより面白く楽しめるでしょう。
もしも異能生存体とかそういう設定とかいらないから、テレビシリーズから順番に見ていきたんだワシは!
という方は、最初に説明した通り異能生存体については知らないほうが良いですね。
-
異能生存体と似た不死の能力
異能生存体に近い能力があります。
・SCP-503
短期的幸運及び長期的不幸という特殊な能力をもっているSCPです。
34回からの転落事故、飛行機の墜落事故、自動車の二十事故、911テロの被害にあいなあいながら生存する驚異的な生命力をもっています。
しかし、両親、兄弟、妻、子供にいたるまで、身の回りの人間がすべて死亡するという不運に見舞われている、いわば異能生存体SCPバージョンみたいな男です。
自殺もできず、幾度か試みたものの失敗。至近距離での銃撃で60回連続不発など、こいつはキリコなんじゃないかと思えるような能力をもっており、キリコ意外にいるもう一人の異能生存体だと思っていいでしょう。
あと有名なのは「デスノート」ですね。
デスノートといえば、ノートに記した日時と死因によって相手が死ぬという、むしろ異能生存体と真逆の能力。
しかし、このデスノートは指定した日時と死因以外には相手が死ななくなるという不死の能力が備わっています。
ただし、デスノートの効力は23日までという制限つきなので、異能生存体までの絶対的な力はありません。
ほかには並行世界を利用して不死になるシュタゲの岡部倫太郎もいます。
因果律そのものを操るというより、並行世界を利用して因果律の中をかけまわることができる能力。
操作をするべく様々なことをできますが、簡単にはいかないというデメリットがありますが、死ぬ直前に別の時間軸に意識が飛ぶため、事実上の不死者となっています。
ほかにもジョジョのゴールドエクスペリエンスレイクエムも因果律を操作できるスタンド。
ドラエモンの世界変換マシンやツキの月など、結果を変えるために因果を操作しまくるアイテムもありますね。
これらに言えるのは、本当にチートすぎてこれ以上の能力者を出すなと言われるレベルのヤバさであり、ストーリーの展開そのものがその能力者におおはばに引っ張られてしまうため、連発なんて一切できないです。